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学校

fijischool
フィジーの学校。子供達は元気いっぱい。

日本の教育制度は小学校・中学校・高等学校の「6・3・3」制ですが、フィジーでは、プライマリースクール8年間(class1~class8:日本で言うと小学校一年から中学校二年生までに相当)、セカンダリースクール5年(form3~form7:中学校三年~高校三年生に相当)「8・5」制となっています(Class 7=Form1と解釈されています。また、form7は大学進学の準備学年で、統一試験の結果form6で卒業して進学することもできます)。また、幼稚園や大学、職業訓練校もあります。
Class1~8及びForm3~4が義務教育となります。学校年度の開始は1月で1年3学期制です。学期間には長期休暇があり、特に3学期から翌1学期にかけては実質2カ月の休みがあります。
授業料はclass1~class6で100ドル/年、class7~class8で100~200ドル/年、form3~form4で200~300ドル/年、form5~form6で200~300ドル/年です(2010年度のデータ)。
セカンダリースクールへの進学率はおよそ5割、そこからさらに大学への進学は6割程度となっています。しかし、義務教育の途中でも、学費が払えず、学校に来れなくなる子供もいます。
学校には授業は英語で実施されます。英語が出来ないと数学の授業も理解できません。
幾人かの知人から聞いたところ、先生は他の職業のフィジー人も同様ですが、仕事よりプライベートを重要視するので、平気で授業をほったらかして遅刻したり休んだりするそうです。また、自分が分かってないのに授業をするなど、逆に驚いてしまう部分もあるそうです。

グロッグ(カバ)

 グロッグ(カバもしくはヤンゴナとも言われる)とは、ヤンゴナというコショウ科の木の根っこを砕いて、水で抽出した飲み物で、日本では見かけませんが、フィジーを始め大洋州の国々で広く嗜まれています。色は土色で、味は形容しがたいのですが、土あるいは漢方薬の味がします。そして、グロッグの効能として鎮静作用があり、飲むと唇が痺れ、眠たくなる事があります。そして飲み続けるにつれ気分が下がってきます。飲むと気分が高揚するアルコールとはちょうど逆です。でも、飲みすぎるとグロッキーになるのは同じです。吐いたり、まっすぐ歩けなかったりすることもあります。
タノアでグロッグをミックス

グロッグを作る(ミックスしている場面。この器をタノアという。)

ヤンゴナの根っこ

ヤンゴナの根っこ。マーケットで売っている。

ヤンゴナの粉

ヤンゴナを粉にしたものも売っている。

 
変な味で、しかも飲むと体調を変化させるこの不思議な飲み物は、フィジーでなくてはならないほど愛されています。娯楽の少ない村落部では一日の大半をグロッグを飲んで過ごしていることも珍しくありませんし、都市部でも街角、職場や家庭でよく飲まれています。
もともとグロッグはフィジアンの儀式の時に飲まれる特別な飲み物でしたが、現在はフィジアンだけでなくインディアンにとっても、飲みたい時に皆で飲む、日常的な飲み物となっています。
しかしグロッグがここまで愛されているのは、単に味や体調変化を楽しむことよりもむしろ、友人とグロッグの入ったボール(タノアあるいは洗面器)を囲んで、延々と長話をするのが楽しいからだと思われます。大抵は仕事の終わった夕方に始まり、深夜まで続くことも珍しくありません。そして飲みすぎて翌朝遅刻ということも(笑)。また、歓迎会、送別会、クリスマス、ディワリ等、何らかの人が集まる行事の際には必ずと言っていいほど、グロッグが用意されます。それを口実に飲みたいだけかもしれませんが。
 このように人と人とを結びつけるグロッグは、単なる飲み物という枠だけで語ることのできない、フィジー文化の要となっており、本項でも「飲み物」ではなく「文化」のカテゴリーに分類しました。
街角グロッグ

街角グロッグ。知り合いが通りかかると、お前も飲んでいけよ、となる。

 なお、グロッグは基本的に男の飲み物です。女性が飲んではいけないと言うわけではないのですが、そういう文化です。しかし外人はその限りではないようで、グロッグをサーブするフィジー人も、外人に対しては男女の区別はあまりつけないようです。また、フィジアン女性でも実は結構グロッグが好きな人がいて、そういう人は家で飲んでいるようです。一方、インディアン女性でグロッグが好きと言う人は見たことがありません。
 グロッグの健康に与える影響ですが、飲みすぎると、皮膚がかさかさになります(カニカニという)。ハードなグロッグ飲みはこのカサついた肌をを自慢する輩もいます。そのほかには、肝臓が悪くなり、尿酸値があがるそうです。日本では薬事法で販売を禁止されています。しかし、長年にわたり飲みすぎなければ、グロッグにはリラックスさせる効能もあり、また、飲んだ後は良く寝れるので精神衛生上はプラスになるのではと思います。

 ところで、グロッグの飲み方にも作法があります。もし、私たちが村でフォーマルなグロッグの儀式(例えば歓迎の儀:セブセブ)を受ける場合、3名の村人がグロッグ係でタノアでグロッグを作ったり、作りながら口上を述べたりします。そしてそのうちの一名がカップをもってグロッグを客人に持ってきてくれます。基本的に年長者からサーブされます。そして、カップを受け取ったら「ブラ」と言って、一気に飲み干します。グロッグが嫌いでも、始めの一杯は礼儀として受けなくてはいけません。もし、量が多すぎると思ったら、飲む前に「ロータイド(少なめに)」といえば減らしてくれます。そして飲み終わったら、「マーダー」といって、カップを返し、手をポンポンポンと3回たたきます。そして全員が飲み終わったら、一旦は終了ですが、2周目、3週目…、延々と続くこともあります。これ以降は嫌なら断ってもかまいません。
 基本的に、村を訪れる時には、ヤンゴナの根っこをお土産として持っていき、そして、村の集会場でセブセブをやって入村が認められるというのが作法ですが、単に知り合いに誘われて遊びに来たという程度ではそこまでやるわけではないようです。誘ってくれたフィジアンに聞いてみてください。

グロッグの儀式

ビレッジでの儀式

 

 一方で、儀式ではなく、職場や家庭で飲む日常のグロッグは、もちろんそこまで格式張りません。その場にいる一番下っ端の人が洗面器等でグロッグの作って(ミックスという)振舞います。年長者から順番に回ってくるのは同じですが、なんらかの話に興じているため、「ブラ」と言わなかったり、手もたたかなかったり、結構適当です。

 グロッグは日本人でも簡単に自宅でミックスできます。マーケットのカバ売り場でカバの粉を買って、カップと粉を濾す袋が売っているのでそれも買います。あと洗面器を用意すれば準備OK。洗面器に水を入れて、粉を入れた袋をその中でこねくり回すと、水の中にカバの粉が溶け出して、グロッグの完成です。濃さは味見をして、水を入れたり、さらに粉を入れて濃くしたりして調節します。思ったより簡単にできるので一度試してみると面白いと思います。

グロッグセット

グロッグの粉と、ろ過する袋とカップ。マーケットで手に入る。

洗面器カバ

筆者がミックスした洗面器グロッグ。

ペットボトルカバ

余談ですが、筆者の知り合いのドライバーは、グロッグを愛するあまり、ペットボトルに入れて持ち歩いています。さすがにここまでやる人は少数派で、彼はもはや中毒といえます(笑)。

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