経済
フィジーの経済成長率は、1975 年までは平均7%を示していましたが、70 年代後半は平均3%にまで低下しました。80 年代はサイクロンや旱魃による被害に加え、クーデターによるインド系資本や労働力の海外流出により不安定な状況が続きました。政府の優遇税制措置により、衣料を中心とする製造業が伸長したため、80 年代末には景気が大きく回復したものの、90 年代以降はクーデターや世界的な景気後退の影響により一進一退の状況にあります。
とはいえ、フィジーのGDPは36億USドルと、サモア(11億USドル)、トンガ(3億USドル)、バヌアツ(10億USドル)等に比べて群を抜いて大きく、この地域ではもっとも経済的に発展している国と言えます。
※世界銀行2008年データ
注:2007年以降は予想値
フィジーの主要産業は、製糖業、観光業であり、その他に鉱業、林業、水産業、軽工業(衣料、履物、食用油)等があります。
砂糖産業については、長年にわたりフィジー経済を支えてきましたが、機械の老朽化、農地リースの延長問題、EUとの特恵的輸入協定の問題等、危機に直面しており、作付面積及び収穫量は減少傾向にあります。
それに代わって、観光業がフィジー経済に占める割合が高くなっています。その開発が進められた 1960 年代から順調に発展し、1980 年代には砂糖産業を凌ぐレベルに達したといわれています。フィジーはこの地域で最も観光業の発達した国ではありますが、度重なるクーデターや世界的不況の影響により近年は伸び悩んでいます。