気候

○フィジーの気候の概要
フィジーは熱帯海洋性気候に属しており、年間を通して温暖であり、寒暖の差は小さい。また、雨季(11月~4月)と乾季(5月~10月)の区分があるが、年間でスバは約3000mm/年、ナンディは約1800mm/年の降水があり、東京の約1400mm/年と比較すると通期では降水量は多いと言える。しかしながら、フィジーの降水のパターンは、概ね夕方以降に強く局所的な雨が短時間で降る場合が多く、一日中降っている日は比較的少ない。
一方で、11月~4月の間では、時折サイクロンがフィジーを襲い、大きな被害が出ることがある。

○気温
フィジーは南緯18°付近に位置し、熱帯に属するものの海に囲まれており、温暖ですが極端に暑くなることはありません。また、寒暖の差は最も暑い時期と寒い時期で5℃程度しかなく、雨季と乾季の区分はあるものの季節の変化に乏しいと、日本人の感覚からすれば感じることでしょう。

また、フィジーは南半球なので、季節が日本とは逆で、7月8月が一年で最も気温が低い時期になります。といってもこの時期の最高気温が27~29℃、最低気温が18℃~21℃と、冬と言うよりは、すごしやすい春か秋といった気候になります。しかしフィジーの人からすると、これでもかなり寒いらしく、この時期はCool(涼しい)ではなく、Cold(寒い)だといって、ジャンパーを着て出勤する人もいるほどです。
確かに朝方は冷え込む日もありますし、風邪がはやる時期でもあります。毛布も2枚重ねでないと寒くて寝れない日もあり、いくら熱帯とはいえ、この時期は油断はできません。

一方で、一番暑い時期は1月2月にあたります。統計では日本の夏と同程度の気温ですが、実感としては日本の都心部の方が暑いと思われます。フィジーは緯度が低いため、日差しは強烈なのですが、木陰に入れば海の方から吹き込む風が涼しく、室内でも扇風機があればやって行ける範囲の暑さです。日本はヒートアイランド現象でエアコンが無いと仕事にならないぐらいの暑さを考えれば、ましなぐらいです。
しかし、筆者のオフィスにはエアコンがガンガンかかっていて逆に寒く、女性職員は部屋の中で上着を羽織っています。ここでも日本のオフィスと同じような光景が繰り広げられています。

最高気温.jpg

最低気温.jpg

○降水
降水に関しては、フィジー南東部にあるスバと西部にあるナンディとで大きく傾向が異なります。雨季(11月~4月)と乾季(5月~10月)の区分があるのは共通ですが、スバでは乾季でも雨が少なくありません。降水量150mm/月程度と、東京の梅雨の時期と同じぐらい降ります。そして、雨季にはその倍以上の雨が降ります。通年で3000mm程度の降水があり、これは東京の2倍以上です。かなり多いように思いますが、フィジーの降水のパターンは、概ね夕方以降に強く局所的な雨が短時間で降る場合が多く、一日中降っている日は比較的少なく、特に乾季の日中は天気が良い日が多いと思われます。
一方でフィジー西部に位置するナンディですが、乾季ではほとんど雨が降りません。降っても少し夕立がある程度。何日も雨が無い日が続く時もあります。雨季はスバ同様かなり雨が降ります。

降水量

○サイクロン
雨季には時折サイクロン(台風)がフィジーを襲います。私も2009年12月に一回経験しましたが、本当に肝の冷える体験でした。あの時は雨も相当降りましたが、特に暴風の被害が大きく、大木が根元から倒れ、トタン屋根が風で中を舞い、電柱があちらこちらで倒れたので電線が切れて停電が一週間近く続き、水道も止まり…。市民生活に大きな被害が出ました。
雨季(11月~4月)の天気予報ではサイクロン関係のニュースは要チェックです。

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サイクロン直撃中

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翌朝の様子。木々が幹から折れている。

1年後

一年後の同じ場所。あの時は壊滅的だと思ったが、一年でひどい状態から復活して、木々には花が咲いている。フィジーの植物はサイクロンより強い?。

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