人種
○フィジーの人種についての概要
フィジーは先住民のフィジアンのほか、インドからの移民の子孫であるインディアン、ヨーロッパ系、中国系の人々が住む多民族国家です。
2007 年のフィジー政府人口調査の統計によれば、フィジー諸島共和国の人口は827,900人で、構成は、フィジアン(57%)、インディアン(38%)、ヨーロッパ人(0.4%)、混血ヨーロッパ人(1.3%)、中国人(0.6%)、その他(3.5%)、となっています。なお、本HPではフィジー系フィジー人(先住民)をフィジアン、インド系フィジー人をインディアンと呼び、単にフィジー人と言う場合はフィジー国籍の人すべてを指します。
※フィジー統計局データによる
○フィジアンについて
フィジアン女性
太平洋の島々の民族は大きく分けてその特徴から3つに分けることが出来ます。そのひとつはポリネシア人です。大柄で肥満、頭髪は直毛で長いのが特徴です。ハワイとニュージーランド、イースター島を結ぶ三角形の内側の地域に広がっています。メラネシア人は大柄で、肌の色は黒く、頭髪は縮れ毛で短いのが特徴です。アフリカの民族に似ています。彼らはパプアニューギニア、ソロモン諸島を中心に広がっています。ミクロネシア人は赤道より北の小さい島々、ミクロネシア連邦やキリバスなどに住んでいます。現在のフィジー系フィジー人はこの3つの民族が微妙に交じり合って形成されています。
○インディアンについて
インディアン男性
植民地時代の 1879 年、インド人がさとうきびプランテーションの年季契約労働者としてフィジーに初めて入植しました。1916 年に中止になるまでの間、約6万人のインド人がフィジーにやってきました。彼らは5年契約で労働に従事していましたが、さらに5年働けば帰国の旅費を支給されました。その後にフィジーに定住する権利も認められていたため、彼らのうち約4万人が、期限後も借地農としてフィジーに残留する道を選びました。一方で、1920 年代以降、インド人労働者を対象にした商売を目的としたインド人が自由移民として流入し始め、フィジー在住インド人はその人口を増やしていきました。
1946 年には、フィジアンの人口を超えましたが、1980年代よりインディアンの再移住(ニュージーランド等)が盛んになったため 人口が減少傾向にあります。人口構成も一時は全人口の半分以上を占めましたが、現在は4割弱となっています。理由はいくつかあると思われますが、フィジーではインディアンは土地が所有できず、また、 クーデターの際には身体の安全が危ぶまれることが挙げられます。一方で、彼らは英語が話せ、ニュージーランド等の英語圏の国々でフィジーより高い賃金で働くことができることも大きな要因と思われます。
○ヨーロッパ系住民について
フィジーでもヨーロッパ系の人々をよく見かけますが、観光客なのか、土着のヨーロッパ系フィジー人なのか見分けがつきません。しかし、筆者が見聞きした限りでは、ヨーロッパ系フィジー人は会社の社長等の裕福層に属する人が多いです。
○中国系住民について
特に首都スバでは多く見かけます。近年は中国人向けの労働ビザが比較的簡単に取れるようになったらしく、人口の流入はこれからも続くと思われます。特にレストランやその他商業に従事する人が多く見受けられます。